Jamais vu

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自分らしさとは反応させていくなかで見つかるもの。

      2017/03/15

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「自分らしさ」という言葉がある。ぼくはこの言葉があまり好きではない。

「自分らしさ」という言葉がメディアなどで使われるとき、その言葉を使っている人自身がその言葉の具体的な中身を理解しているのか?と疑念を感じてしまうからだ。

「自分らしさ」という言葉の中身と、「自分らしさ」をつかむための方法について書きました。

悩むのは当たりまえ

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江戸から明治期を描いたドラマを観たことはあるだろうか。今だと朝ドラの「朝がきた」がそのあたりの時代を映像化している。日本はこの何十年かのうちに働き方や生活の仕方に対する捉えかたを大きく変えてきた。それまで日本人は「自分」を人との関係のなかで位置づけていたのだ。

お家の一員としての自分。職集団の一員としての自分。ある身分としての自分。

『朝がきた』の中で、こんな会話があった。会社(カンパニー)という業務形態がはじめて入ってきた頃の話だ。

A「会社ができるとなにが変わるの?」
B「会社になるとな。ひとりずつ家をもってもろて、朝会社に来て働いて、晩になったら家に帰ってもらうようになるんやよ」
A「え?そしたらご飯はどうするん?」
B「みんなそれぞれに自分でつくってもらうことになるんやな」

むかしは、その会社で働く人は必ずその会社に住み込みだった。そのなかで全員でご飯を食べる。それが「家」だったのだ。そのなかで人は生きていた。日本というのはそのような単位のなかで働き、生活をする国だったということ。

自分らしさとは外来語

そんな時代には人は自然に自分を位置づけられていただろう。「自分」ということについて考える人はほとんどいなかったのかもしれない。

「会社」という仕組みを輸入したり「集合住宅」という生活空間が生まれてくるなかで、だんだんと自分ひとりで「自分」を位置づけようという方向へ移行してきた。

今は他者との関係のなかで、というよりも、他から切り離された状態で「自分」というものをみつけなさい、と強いられる時代なのである。それと並行して「自分らしさ」という言葉が使われるようになった。この言葉は昔から日本にあった言葉ではない。これはヨーロッパやアメリカの文化を輸入したことによるのだけど、そこには深く立ち入らない。

とにかく「自分」を位置づける方法について、日本では大きな変化があった。それなのに誰も、他から切り離された状態で「自分」を見つめる方法を教えてくれない。(そもそも他者と無関係に「自分」はわからない。)

それに輪をかけるように「自分らしさ」という言葉だけが洪水のように溢れ回っている状況にある。

そりゃあ「自分」や「自分らしさ」と言われても、考え込んでしまう人が多くてもおかしいことではない。悩むのが当然だ。

この記事でここから、「自分らしさ」を見出していくための道しるべを記したい。

「らしさ」とは

自分らしさに含まれる「らしい」という言葉は「鈴木さんらしい答えだね。」「高橋らしい表現だね。」という時に使われる。

「鈴木の人柄を凝縮したような答えだね。」「高橋の良いところがあらわれた表現だね。」という感じか。

「らしい」には「特徴を凝縮した」という意味がある。そう考えると、自分らしさとは「自分の特徴がうまくあらわれた」という意味だ。

自分らしさが「自分の特徴が凝縮した」という意味だとすれば、自分らしさを知るには、自分の特徴をつかまないといけない。どのようにしたら自分の特徴を自分でつかんでいけるだろう。

自分らしさをつかむ方法

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自分の特徴は今日明日でつかみきれるものではない。でも、自分の特徴は今日から着実につかんでいくことができる。

それは研究のプロセスに似ている。たとえば、最初に塩を発見した人は、その白い粉のことを塩とは知らなかった。その人ははじめになにをしただろう。白い粉を発見してはじめから舐めてみたのだろうか。もしかしたら舐めたかもしれない。水に溶かして飲んだかもしれない。火で焼いてみたかもしれない。植物にかけてみたかもしれない。

そのようにして、

なにかについて知るには、

なにかと反応させる必要がある。

自分も同じだ。自分の特徴を知りたければ、白い粉の特徴を知るのと同じように、いろいろなものと反応させていかなきゃいけない。

反応のさせかた2種類

反応のさせかたには2種類ある。

①新しい対象と反応させる
②既知の対象に違う状態で反応させる

新しい対象との反応

新しい対象と反応させるというのは、説明するまでもないかもしれないが、たとえばバンジージャンプをしたことがなければ、それをしてみる。旅を1人でしたことがなければそれをしてみる。結婚したことがなければそれをしてみる。。。

といったことだ。そのとき1つ意識するといいのは、自分の身体だ。

新しい対象に自分の身体はどのような反応をしめすのか。バンジージャンプをする前に自分の身体はどんな感じだろう。どんな仕草をしているか。具体的な自分の行動を観察しておくことだ。それが「自分の特徴」を知ることにつながる。性格やこころ、というのはなかなか手にとりづらいから、身体のうごきを追ったほうが、自分を突き止めやすい。

既知のものとの反応

既知のものと、違った状態で反応させる。たとえば、スーパーマーケットでの買い物で無駄なちくわとかを買ってみる。たとえば、苦手な上司の顔を見て話せなくなっていれば、どうにか数秒でも上司の顔を見てみる。音にだけ意識して電車に乗ってみる。

そんなようなことだ。自分の状態を変えるだけで、その時間の感じ方は違ったものになる。今までと違った状況をつくりだすことで、自分らしさを知る機会が増える。

このときも新しいものと反応させるときと同様に、身体への意識が大事だ。

他者との違いをつかむ

身体への意識と言われても難しいかもしれない。自分らしさ=自分の特徴というのは、自分のこころと身体の、他者との違いを知ることだ。

こころというのは1つの状態で留まってくれないし、目にも見えないので、それを知ったり、変えたりする対象とはしずらい。

だから身体に意識を向ける。

人の心は身体にあらわれてしまう。焦っていると、手や足をよく動かすようになっているかもしれない。顔や頭を触ったりしているかもしれない。反対にぴたっと止まっているかもしれない。自信のあるときには、呼吸が整っていて、すこし胸が開いているかもしれない。あまり話たくない相手といるときには、足を扉のほうに向けているかもしれないし、腕を組んでいるかもしれない。

このようなことはこちらの本に良くまとまっています。オススメ。

そんなふうに、ある状況に対して自分はどのような身体の状態/身体の感じをもっているのかを観察し、それを積み重ねていくと、自分の傾向をつかめてくる。

そのうちに人の身体も観察できるようになるかもしれない。そうすると人と自分の違いにも気づけるようになるだろう。自分らしさは、なにかと反応させた自分の反応を、身体から読みとることですこしずつ発見していける。

「自分らしさ」という言葉に悩まされる人の霧がすこしでも解消されたらと思う。

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