Jamais vu

ことばとからだの情報サイトです。カウンセリングレーベル Jamais vu が運営しています。

*

非言語的コミュニケーションが会話をあたらしいものにしてくれる。会話の仕方をバージョンアップする方法。

      2017/03/15

nonverbal01

非言語的コミュニケーションというものを聞いたことがあるだろうか。英語だとノン・バーバルコミュニケーションと呼ばれ、言葉以外でメッセージを伝達し合うことをそう呼ぶ。

非言語的コミュニケーションというと、はじめは身ぶり手振りなどのジェスチャーを思い浮かべる人が多いかもしれない。もちろんジェスチャーも非言語的コミュニケーションに含まれるのだけど、人はもっと多様な方法でメッセージを伝え合っている。

この記事では非言語的コミュニケーションについて細やかに見ていこうと思う。書き出してみると当たり前に思えるようなことかもしれない。でも過ぎ去っていく日常のなかで、意識することは少ないと思うので、日々の中で見直してみるとけっこう面白いはずだ。

言語的コミュニケーションがおまけ

非・言語的コミュニケーションと呼ばれ、言語的コミュニケーションの方が先にあったように思える。でも動物が言葉を使うようになったのは、進化史のなかで言えば最近のことであって、本当は言語的コミュニケーションの方が後発だ。

非言語的コミュニケーションの方が、動物が利用してきた歴史は長い。非言語的コミュニケーションを言語的コミュニケーションのおまけと考えるのではなく、非言語的コミュニケーションがコミュニケーションの多くを担っていると気づくと、会話や人間関係が変わることもあるかもしれない。

コミュニケーションの8割は非言語的コミュニケーションがつくっていると言われることもある。

人の印象

人は人を観たときになにかを感じる。印象という捉えようのないもの。

印象はモノにも感じる。固い感じ、やわらかい感じ、あたたかい感じ、複雑な感じ、理解できない感じ。ぼくのこの記事にもなにかしらの印象を持っているかもしれない。

そのような印象を人にも感じる。

すこし話が逸れるけれど、身につけているものが似合うとか似合わないとかいう話がある。「似合う」というのは、その人が纏っている印象と、そのモノがもつ印象が、合致しているということなのではないか。合致しているか、もしくは印象どうしが、調和し、印象を高めあっているときに「似合う」と感じるように思う。

それでは「人の印象」はなにがつくるのだろう?

全身からのメッセージ

非言語的コミュニケーションが「人の印象」をつくっている。非言語的コミュニケーションは言語ではない方法で、なにかを人に伝えている。

冗談が通じない人。人の話を聞けない人。空気の読めない人。というのがいる。ぼくもできていないときがよくある。

そういう状態になってしまっているときというのは、「言葉だけ」を聞いてしまっているか、「言葉すら」聞けていないか、になっていることが多い。

人は言葉だけでメッセージを発するわけではない。全身で(あるときは周囲のモノや空間も用いて)メッセージを発している。

だから「言葉だけ」を聞いてしまうと、メッセージの全体を受けとれたことにならない。

「相手がなにを言おうとしているのか」というのは「相手の言葉は論理的になにを説明しているか」とイコールしない。

相手がなにを言おうとしているのか、は相手の全体がなにを言おうとしているのか、である。

冗談を捉えたり、人の話をじっくり聞いたりするには、非言語的コミュニケーションを捉える目や耳や肌が必要だ。空気を読むためには、集団が話していることだけではなく、集団が纏っている非言語的メッセージを捉えないといけない。

全体に返答する

最近とくに思うことだけど、人がなにを伝えたいかは、言葉の論理内容だけではわからない。

だから、相手の「言語内容」にそのまま返答するだけだと、会話はうまく進んでいるようでも、なんだかしっくりこないということが起こる。

「言語内容」以外のメッセージを含んで受け取り、その全体に対して返答することを心懸けると、異性とのすれ違いも減らすことができるかもしれない。

それでは非言語的コミュニケーションにはどのようなものがあるだろう。

視覚コミュニケーション

nonverbal03

目で見えるものをまず書こう。表情、仕草、姿勢。服装。身体の緊張の仕方。肌の色。など。無意識のうちにそのような情報を人の目はとらえ、それをもとに人の印象やメッセージを読みとっている。

表情

表情についてはわかりやすいと思う。人が笑っていれば楽しそうに感じるし、顔をしかめていれば気に入らないのだとわかる。ただ、笑い方によっては、楽しくないのだなとわかることもあるし、顔をしかめていても「好きだ」というメッセージが読みとれることもある。

そこらへんが表情のわかりやすく、わかりにくいところだ。微妙な表情の差異が、違うメッセージを発することもあれば、表情と言葉との組み合わせでまるで反対のメッセージに変化してしまうこともある。

仕草

仕草を見るのは、けっこう難しい。なんだか人の秘密を盗み見ているような気がして、じろじろは見られない。そんなときはぼんやりと、相手の全体をみるようにしてみるといい。

腕を組んでいたらあまり話をしたくないときなのかもしれない。足先を大きめに動かしていたら嬉しいと感じているかもしれない。足をドアの方に向けていたら早く帰りたいと思っているかもしれない。

仕草に関しては、『FBI捜査官が教える「しぐさ」の心理学』がとても良い本だ。

姿勢

ぼくは姿勢やその人の身体の緊張具合から、その人が生きてきた歴史を感じる。姿勢や力の入れ方は、短時間で変えることの難しい部分だ。ごまかせない。

人がもつ印象の多くを姿勢や力の入れ方が決めている。

人にはミラーニューロンというものがあって、人を見ると、相手の状態を模倣できるようにできている。だから、その人の緊張状態や姿勢から、その人の感覚を読みとることができる。

それは無意識に行われるコミュニケーションであるからこそ、意識的になっておかないと、相手が緊張していたら緊張してしまうし、相手が怒っていたら怒りやすくなってしまう。

影響されやすいのは時には良いことだけれど、コントロールできないと困ることも多いだろう。

さいきんファッションデザイナに興味を持つようになった。それは非常に微細な服の差異が、それを着る人が纏う印象を変えるのだと知ったからだ。

ぼくのような一般人が観ても、ぱっとみでは高い服と手頃な値段の服のシルエットの違いはそれほどわからない。

ただ、それを着てみると全く違う。その差異の大きさをここ2年ほどで強く思い知った。

だから服も強いメッセージになる。その服がもつ印象は、それを着る人の印象というメッセージを大きく変えるだろう。

傾向として女性のほうが服をよく見ている。男性は今日話していた相手がどんな服装だったか見ていないことが多い。ぼくもあまり見たことはなかったので、見るようにしてみると日常が面白くなった。

聴覚コミュニケーション

非言語的コミュニケーションは音によっても行われる。言葉をどのように話すか。それを耳や身体全体で聞いている。

相手はどの単語を強い口調で言っているだろうか。どんなふうに言葉を終わらせているだろうか。その人が発したい感情と、口調が持つ印象は合っているだろうか。

相手の声から感じる印象はどうか。何人か集まってひとりずつ「あ」と言ってみる。その「あ」からどんな印象を受けるか、お互いに話してみるとけっこう楽しい。

「あ」という音ひとつに、その人の印象が詰まっていることが多い。声や口調にもメッセージや印象は込められている。

いつもと違うところを観る

非言語的コミュニケーションについて書いてきた。非言語的コミュニケーションが重要な位置を占めているのはわかってもらえたかもしれない。

じゃあどうやって今日これを活かすか。

会話のなかでどこを意識しているか。反対に、なにを意識できていないか。を感じてみる。

あれ、相手の表情ぜんぜん観てなかったなとか、相手の手の動きって観れていないなあとか、声のトーンを聞いていなかったなあとか。この人こんな服着てたんだ!とか感じるかもしれない。

最初からすべてやる必要はないし、すべてをやろうとすると、嫌になってしまうと思う。はじめはぎこちなくてもいいから、手だけ観てみようとか、表情だけは意識しておこうとか、そういうふうに、ひとつずつやっていくのがいい。

別にやらなくても誰も怒らない。日常をすこし楽しいものにしていくための遊びだ、くらいに考えて非言語的コミュニケーションに触れていくと面白いと思う。

非言語コミュニケーションに関するワークショップをしています。
→非言語コミュニケーションワークショップ