Jamais vu

ことばとからだの情報サイトです。カウンセリングレーベル Jamais vu が運営しています。

*

自分の感情がわからない人がその場でできる突破法

      2016/04/18

thinking04

自分の感情がわからない。そう言う学生に会った。

ぼくも学生時代「感情ってなんなのか?」よくわからなかった。自分がどんな感情を感じているのかうまくつかめなかったのだ。地に足がついている感じがなくて、自分ってなんなのだろうと感じてしまっていた。他の人のことを感情豊かで楽しそうだなあ、と思うこともあった。

それが「からだの感覚」を意識するようになってから少しずつ変わっていった。

その変化をもたらしてくれた方法について書く。これは感情だけでなく、感性を鋭くするための方法にもなる。

感情とはなにか

「自分の感情がわからない」
では、その<自分の感情>とはなんだろう?

自分の感情とは、自分の身体の感覚のことだ。

頭が熱くなって爆発しそうな感じ、は「怒り」と呼ばれるかもしれない。
目線が下を向き、鼻にすこし力が入って、肩が内巻になっている感じを、「悲しい」と呼ぶかもしれない。

【感情】とは、【身体の感覚】につけた名前のことなのだ。

身体の感覚は、ほとんど無限にある。いまこの記事を読んでいるときの身体の感じも一瞬一瞬変わっているはずだ。その無数にある「からだの感じ」。人はそれを他の人に伝えるために、ある範囲ごとに名前をつけた。

【身体のある状態】に対応する名前のことを【感情】と呼ぶ。

感情とは、目に見えずコントロールできないものとして存在しているわけではなく、【身体の状態】という自分である程度、観察でき、コントロールできる形で存在している。

【身体の状態】が感情をつくる

【身体の状態】が感情をつくるという。では身体の使い方を変えると、感情は動くだろうか?

鶏が先に生まれたのか?卵が先に生まれたのか?という話がある。身体の状態が先なのだろうか?感情が先なのだろうか?どっちだろう。

身体の状態が感情をつくるということを実感してもらうために、時間があれば、実際に試してもらいたい。

笑ってみると、楽しい感じがしてくる、という話はありきたりなので、身体の状態で【怒った感じ】をつくってみよう。

①まず呼吸を荒くしてみる。息を吸う吐くを激しくしていく。短く吸って短く吐く感じ。
②そのまま眉間に力をいれる
③髪の毛をひっぱる

すこし怒った感じがするのではないか。

身体の状態をつかむ→感情をつかむ

ではどのようにしたら、「自分の感情がわからない」状態から脱することができるだろう?うまく感情を捉えられるようになるだろう?

自分の【身体の状態】を捉えられるようになることで、【感情】を捉えられるようになっていく。

身体の状態をつかむとは?

いま足の裏のことを感じているだろうか?

おそらくこの記事を読んでいる人の多くは、スマートフォンかパソコンで読んでいることだろう。そのとき、自分の足が床についている感じ、もしくは宙に浮いているその感じを、感じているだろうか。

集中してなにかを行っているとき、人は不必要と感じられる感覚を無視するようになっていく。赤ちゃんのときには、全ての感覚が開いていると言われる。大きくなる過程で、それらの感覚を取捨選択し、この状況のときにはこの感覚を開けばいい、この状況のときはこれ、と感覚を閉じることを覚える。

記事を読むことに集中していると、足の裏の感覚は感じられていないかもしれない。

それが悪いわけでは決してない。

ただ、ぼくらは情報社会と呼ばれる環境のなかで生きている。電車内は活字に溢れ、テレビは音声や刺激的な映像に溢れている。それは、注意を向けざるをえない対象が多いということだ。

足の裏のことよりも、吊り広告や他の人の服装やテレビに気を取られやすいのである。

それは足の裏だけではない。太もももそうかもしれないし、背中、耳の裏、ほほ、頭頂もそうかもしれない。

【身体の状態】をつかむとは、より広く、より細かく、身体を観察できるようになることなのだ。

身体に意識を向ける時間を増やす

今すぐできることというのは【身体へ意識を向ける】ことだ。床と接している足裏に意識を向けながらこの記事を読んでみてほしい。最初は難しい。でもできなくたって誰にも迷惑をかけることはない。自分でできる範囲ですこしずつ広げていけばいい。

日常のなかですこしずつ身体へ意識を向ける時間を増やしていくことで「自分の感情がつかめる」ようになっていく。

なぜなら、【「身体の状態」をつかむ】ことで、閉じていた感覚に気づくようになっていくから。

閉じてしまった感覚/必要ないことにしてしまった感覚のなかに、感情は眠っている。閉じていた感覚に気づくようになっていくと【感情がわかる】ようになっていく。

ぜひ、日々の何気ない時間のなかで、自分の身体を観察してみてほしい。それはスポーツやエクササイズのように激しかったり、疲労のあるものではない。日々のなかで思いついたときにやることで、自分を知り、豊かに生きるための時間になる。

どんな身体の部位に意識をむけるか

最後に、どんな身体の部位があるのか、どんな時間を活用するといいのか、蛇足になるかもしれないが書いておく。

感じる場所のおすすめは、足の裏、背中、耳の裏、鼻の先、おでこ、頭頂などだ。

活用できそうな時間は、歯を磨いているとき、駅まで歩くとき、デスクのまえに座っているとき、つり革を掴んでいるとき。今この文章を読みながら。できるだけさりげない時間がいい。そういう時間に無理なくやってみるといい。

「自分の感情がわからない」。それは感覚を閉じてきてしまっただけのことだ。それは自分のせいではなく、ぼくはそうせざるを得ない環境や社会状況だっただけだ、と考える。それを「今すぐに全開に!」というわけにはいかないかもしれない。ただ閉じている感覚が多い分、楽しく次々に開いていけるだろう。